2007年9月15日土曜日

ぶどうの実

ぶどうの実    都筑益世

紫ぶどう、
ガラスの実、
落とすとあぶない、
けがするぞ、
帽子ですうと、
受けとれや。

つくし

つくし    川上すみを

大きな大きなつくつくし、
ひとさし指よりまだ長い、
大きな大きなつくつくし、
春は崖はたタコマの港、
つくしつまずににいさんは、
日本のことを思ってた。

かたぎの実

かたぎの実    槙田浜吉

いっちん、かっちん、
かたぎの実。
病目(やんめ)の子守りが、
来て拾う。
拾うはしから、
また落ちる。
いっちん、かっちん、
かたぎの実。
うしろのお山に、
日が暮れた。

あの子のお家

あの子のお家    北原白秋

あの子のお家はどんな家、
野茨が咲いたと言うていた。
子馬もいるよと言うていた。

あの子のお家はどこいらか、
雲雀よ、空から見ておくれ。、
よしきり、よしきり、行てみよよ。

あの子のお家はどのお家、
土手から土手へとのぼっても、
つばなやよもぎの風ばかり。

あの子のお家は葦の中、
むこうのむこうの沼のへり、
子馬もいるよと言うていた。

お山のあられ

お山のあられ    北原白秋

こんころことかかるは、
お山のあられよ。
おせどの笹薮、
さら、さら、さらりよ。

こんころことかかるは、
夜ふけのあられよ。
みぞれがお伴で、
さら、さら、さらりよ。

こんころことかかるは、
お山のあられよ。
おもての篠薮、
さら、さら、さらりよ。

子どもの村

子どもの村    北原白秋

子どもの村は子どもで作ろ、
みんなで作ろ。
赤屋根、小屋根、ちらちらさせて、
みんなで住もうよ。

子どもの村は垣根なぞよそよ。
ほんとによそよ。
草花、野菜、あっちこっちうえて、
すず風、小風。

子どもの村は子どもで決めよ、
みんなで決めよ。
村長さんをひとり、みんなで選び、
みんなでかわろ。

子どもの村は早起きばかり。
こけっこと起きて。
朝のうち、御本、お午から外へ、
はたらいて歌おう。

子どもの村は子どもで護(まも)ろう、
みんなで護(まも)ろう。
てんでの仕事、てんでにわけて、
みんなではげもう。

子どもの村は仲良しこよし、
いさかいせずに。
てんでに助け、てんでに仕え、
楽しんで遊ぼう。

子どもの村はお伽の村よ、
夢の里よ。
星の夜、話。月の夜、お笛。
すやすやねよよ。

子どもの村はいつでも子ども、
いつでも春よ。
子どもの祭、おてんとさんの神輿。
わっしょ、わっしょ、わっしょな。

2007年9月13日木曜日

祭の笛

祭の笛    北原白秋

祭の笛が鳴りまする。
今年も空豆もぎりましょ。
祭の笛が鳴るころは、
ほたるもつけます、赤の襟。

祭の笛を吹く方は、
お里のかわいい御宮さま、
祭の笛にさそわれて、
蛙もなきます、田の中に。

祭の笛よ、なぜ遠い、
昼間の花火はさびしのか。
祭の笛にねんねして、
三日月さぁまも丘の上。

祭の笛が鳴る夜さは、
芝居の灯もあちこちに。
祭の笛を聞いてれば、
迷子になるよな、うれしよな。

祭の笛にねかされて、
ねむれば魔法の夢ばかり。
祭の笛を吹く方は、
いつでも小さなお宮さま。