りんりんりんごの 北原白秋
りんりんりんごの木の下に
小さなお家を建てましょか、
そしたら、小さな窓あけて、
窓から青空見てましょか。
りんりんりんごがなったなら
つぐみもちらほらまいりましょ。
丘から丘へと荷をつけて、
商人なんぞも通りましょ。
りんりんりんごに雪がふり
一夜に真白くつもったら、
それこそ、暖炉(ストーブ)もしつけて、
朝から食堂もひらきましょ。
りんりんりんごは焼きましょか、
むかずに皿ごとあげましょか、
お客はだれやら知りゃせぬが、
今にも見えそな旅のひと。
りんりんりんごの木の下に
小さなお家を建てましょか、
窓から青空見てましょか、
遠くの遠くを見てましょか。