しぐれの歌 三木露風
ふれ、ふれ、しぐれ。
しぐれの音は銀の音。
白い月が曇ります。
黒い瓦にさっさっさっ、
竹の垣根にさっさっさっ、
犬の首輪にさっさっさっ。
しぐれの脚は早い脚。
遠くの森へかけてゆき、
低い雲にさしかかり、
かれた柳にさっさっさっ、
暗い舟にさっさっさっ、
波の頭にさっさっさっ。
ああそべ、あそべ。、
しぐれよ、あそべ、
いったりきたりしてあそべ。
樋の口が鳴りだした。
水の音が鳴りだした。
とんとん とんとん 鳴りだした。
赤い鳥代表作集 全三巻(初期、中期、後期)の中から、”童謡の部”に書かれている詩をアップしています。
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