夏のうぐいす 三木露風
うーぐいす、
うーぐいす、
籠の鳥、
鳴いて鳴いて鳴きとおして、
日がな一日、鳴きとおして、
あかるい夏の日が暮れる。
うーぐいす、
うーぐいす、
谷渡り、
里のお山がこいしかろ、
山にゃ真っ赤な百合がさき、
樺の林に日があたる。
うーぐいす、
うーぐいす、
くうろいきものをかぶせられ、
とまり木につかまって、
ひとりぼっちで眠ります。
さてもさみしいうぐいすが、
夜見る夢はなんであろ、
籠のむこうに夕星が、
ちいろり、ちろり、
またたいた、
またたいた。
赤い鳥代表作集 全三巻(初期、中期、後期)の中から、”童謡の部”に書かれている詩をアップしています。
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